◆先に要点
時間見積もりは、作業時間ではなく
意思決定の回数(問い・方法・評価の確定)
で逆算します。
◆進め方の全体像
① 5段階 × マイルストーンを設定
探索 → 設計 → 収集 → 分析 → 稿化
の5段階で、大きな区切り(マイルストーン)を先に置きます。
② リカバリ分岐を先に書く
遅延が発生した場合の
リカバリ分岐
(代替手順・縮小案・並行作業)をあらかじめ明文化します。
③ 週次レビューで「未確定の意思決定」を潰す
週次レビューでは、手を動かす前に
未確定の意思決定
を洗い出して先に確定させます(例:分析法の選択、章立ての確定、図表の仕様)。
◆ショートまとめ
「全部を少しずつ」ではなく、
段階 × 決めることリスト
で時間を見積もり、遅延の逃げ道まで先に用意する。
大学院入試の受付が始まりつつあるこの時期、
多くの大学院では出願書類の一つとして
「研究計画書」を課しています。
筆記試験後に実施される面接では、
この研究計画が話題の中心となることが多いです。
中には論文や書籍などに目を通すだけで安心してしまい、
肝心の「自分は何を研究したいのか」を掴めていない人も少なくありません。
しかし、研究大学院への合格を目指すならば、
まずは自分の興味や疑問を軸に
「研究の目的」を明確にし、
それを支える独自性や新規性をどう盛り込むかをしっかり考えなければなりません。
時々、提出期限の数日前になってから「研究計画書を急いで作りたい」と相談されるケースもありますが、
時間があまりにも短すぎると、
その場しのぎの「体裁を整える」だけに終わってしまいます。
本来、研究計画を作るためには、先行研究を調べ、それをどう生かすかを検討し、自分の研究テーマと関連づけるという
手間と時間が必須です。
現実には、それを1か月ですら十分にこなすのは難しく、
普段から大学院入試を視野に入れて卒論や職場での経験を生かしながら準備を進めている人たちと渡り合うには、それ相応の覚悟と集中力が求められるでしょう。
入試に向けては、今からでも遅くありません。
自分の問題意識をはっきりさせ、その領域でどのような知見が得られているのかを丁寧に読み込み、自分が何を付け加えられるのかを真剣に考えるところから始めてください。
短期決戦でも可能性はゼロではありませんが、研究計画書には
あなたの研究者としての姿勢が如実に表れます。
単に研究アイデアだけでは研究計画になりえません。
焦りだけで書き上げるのではなく、
時間と手間を惜しまず、本質を突き詰める姿勢を大切にしましょう。
これから入試に挑む皆さんの参考になれば幸いです。









