研究計画とスケジュール管理は、研究をスムーズに進めるうえで欠かせない要素です。
特に大学院や卒業論文などでは、研究計画の立案とその進捗をどう管理していくかが成果を大きく左右します。
今回は、研究計画の立て方やスケジュール管理のポイントを整理してみました。
これから研究を始める方、あるいは進め方に迷っている方の参考になれば幸いです。
1. 研究計画ができれば研究の半分は完成
◆「研究計画ができれば半分以上研究が完成したのも同じ」という言葉がある通り、
研究の成功は計画段階でほぼ決まります。
もし計画があいまいなまま進んでしまうと、なんとなく重要そうだからと安易に質問紙を作ったり、実験を手当たり次第行ったり、ただの雑談で終わるインタビューを重ねたりと、
後々分析や考察で収拾がつかなくなるリスクが高まります。
◆研究のテーマや目的、方法を明確にするだけでなく、
「この研究によって何を明らかにしたいのか」
「どんな分析手法を使うのか」を
最初にしっかり考えておきましょう。
2. 指導教官と進捗状況を共有する
◆計画段階だけでなく、
進捗状況に関するコミュニケーションを指導教官と継続的に取ることも重要です。
仮に指導が少ない、あるいは放任に近いスタンスでも、こちらから積極的に共有しない限り、的確なアドバイスは得られません。
◆一方通行でないかぎり、指導教官が「そういうやり方は取らない」と明言しない限りは、
自分の進捗を報告しフィードバックを仰ぐ姿勢を持ちましょう。
3. ゼミ発表などの機会を無駄にしない
◆ゼミや研究会での発表の機会は、自分の研究を客観的に見直すチャンスです。
いい加減な発表をしてしまうと有益なフィードバックを得られないだけでなく、「書けない」「できない」という
マイナスのレッテルを貼られるかもしれません。
◆さらに、「雑に進める人」という心象を持たれてしまうと、
後々の評価に影響したり、
自分自身も批判を受け続けるうちに気力を失う可能性があります。
せっかくの機会を活用し、積極的に意見を取り入れましょう。
4. 難しい理論を安易に持ち込まない
◆グダグダとうんちくを語ったり、理解できていない難しそうな理論を無理に引用するのは逆効果です。
自分が咀嚼できていない理論を引っ張ってきても、研究の核がぼやけてしまい、指導教官や聴き手にも
「わかっていないのでは?」という不信感を与えかねません。
◆難しい概念を使う必要があるなら、まずは
自分の言葉で説明できるレベルまで地道に理解を深めることが大切です。
「ひけらかす」のではなく、理解を積み上げて発表や論文に落とし込む姿勢を忘れないようにしましょう。
5. スケジュールは他人事ではなく、自分事として管理する
◆「間に合いますか?」と他人事のようにスケジュールを捉えるのは危険です。
研究には締め切りや学会発表の期日、ゼミでの中間発表など、複数のマイルストーンがあります。
それらをすべて
「間に合わさなければならない」という強い意思を持って取り組むことが大切です。
◆最終的な提出期限だけでなく、
中間発表やゼミ発表の日程も逆算しながらスケジュールに組み込みましょう。
余裕をもった計画を立てることで、実験やデータ分析に予想外のトラブルが生じても柔軟に対応で
研究計画とスケジュール管理は、単なる形だけの作業ではなく、
研究の成否を左右する極めて重要なステップです。
計画をしっかり立てることで研究の半分以上は成功したも同然ですし、常に進捗を指導教官と共有しながら進めることで、
問題が大きくなる前に修正が可能になります。
さらにゼミ発表などの場を活かすことで、専門的なフィードバックを得ながら研究の質を高めることができます。
難しそうな理論を並べるよりも、地に足のついた着実な理解と姿勢が、最終的には大きな成果につながります。
そして、スケジュールは他人任せではなく、自分が主体となって「間に合わせる」ことを前提に管理する意識を持ちましょう。
しっかりとした研究計画と確実なスケジュール管理こそが、実りある研究への近道です。