インタビュー調査やアンケート調査のサポートをさせていただいているとき、結果と考察の区別が判然としない論文を書かれる方が少なからずあります。
時として、「論文が書けました、これで投稿しようと思います。」と持ってこられた論文が、「え???、結果しか書いてないですよ~???考察がないですよ~???」といって、驚く場合もあります。
あるいは、先行研究を読んだとき、「考察がなく結果しか書いてなくて、これで良いものなんでしょうか?」といった質問を受けることがあります。
確かに、論文を読んでいると結果と考察を交えて書いているのかなぁと思うものも散見されるのですが、基本の基として結果と考察は別物ですから、きっちりと分けて区別して書かねばなりません。
投稿論文を例にしてみると、投稿先から要求されるレベルはいろいろありますが、いわゆるアクセプトのハードルが高い学術雑誌の原著論文を例にみてみると、一般的なインタビュー調査やアンケート調査の手法を用いた論文は、明確に結果と考察を区別して書いています。
例えば、MGTAの手法を使って、カテゴライズして概念図を書いても、あくまでもそれは分析の結果を示した段階で、そこ(結果)から何が読み取れるかを俯瞰的にみて考察を書かねばなりません。
考察の内容もだらだらと書くのではなく、いくつかのポイントを結果から抽出して。論点を絞って考察することが求められます。
このように書いていると、あたりまえやろ、と思われる方も多いかと思いますが、実際、特に初学の方において、結果を書くところで精魂尽き果て、これだけ苦労して書いたからこれが考察だと幻覚にとらわれるたかのごとく・・・指摘されるまで、考察を書いていないことに気づかれない方がおられます。
話は少しずれますが、こういった場合、最初のリサーチクエスチョンがしっかりできていない方が多いような印象です。
インタビュー調査やアンケート調査をされている方は、結果と考察を書くという当たり前のことに、今一度留意されてくださいね。