先日、受講生の方から
「インタビュー調査(=半構造化面接)をするにあたって
一人では心もとないので、
同じ研究分野の知人二人に、
一緒にインタビューに同席してもらおうと
思うのだけども、
何か問題は有りますか。」
という質問を受けました。
結論から言うと、そういう形式のインタビューはありです。
しかし、インタビュアーが一人の場合と複数の場合とで、いくつかの異なる点がありますので、その違いを理解しておくことが大切です。
まず、
インタビュアーが一人の場合は
インタビュー全体を通じて質問のスタイルや深掘りの方法が一貫しているので
➀対話の一貫性が保たれます。
また、インタビューの流れや進行をコントロールしやすく、想定外の質問や逸脱を管理できるので
➁インタビューのコントロールが容易です。
さらに言えば、回答者とインタビュアーの1対1の何晏形成の中での会話の方が、
回答者が自己開示をしやすくなり
➂より親密性が高まる関係性が構築しやすいです
一方、
インタビュアーが複数の場合は
それぞれのインタビュアーが異なる視点や専門知識を活かした質問ができるため、より幅広い情報や多面的な見解を得るといった、
➀多角的な質問が可能となります。
また、これと関連しますが
一人のインタビュアーが見逃した点や深掘りできていない点を、
他のインタビュアーが補うことができるためより詳細で包括的なデータ収集となり、すなわち、
➁質問の補完と深掘りが可能となります。
それから、個々のインタビュアーのバイアスや先入観の影響を相互にチェックし合うといった
➂バイアスの軽減も期待できます。
言い換えれば、
インタビューアーが複数の場合は、一人の場合に生じる可能性のある問題を補完することができます。
しかしながら、インタビュアーが
一人の場合は対話的な雰囲気を作りやすく、回答者がリラックスして自然体で話しやすい環境となりますが、
インタビュアーが複数の場合は工夫と管理に注意しなければ
回答者が緊張するといったデメリットもあります。
また、共著になる論文などで、助手の方などが院生の指導の一環として複数のインタビュー形式を取られる場合もありますが、
時たま院生の方あ我遠慮か何かで、質問を全くされない時があるようですが、
このようなことが生じないよう、
複数のインタビュアーの場合はインタビューの準備として、リサーチクエスチョンやインタビュガイドの確認をしておくことは有効でしょう。
もちろん当たり前のことですが、複数の回答者にインタビューをする場合、
一人のインタビュアーの場合と複数の場合を混合させてはいけない事は言うまでもありません。
ちょっと気になったので、とりあえず記事にしておこうと思い、今日は書きました、
どなたかの参考になれば幸いです。