先日、「学会で発表をしてみたい」というお問い合わせをいただきました。
その学会では、アイデアのような内容でも発表が可能とのことで、
「ぜひアイデアを発表したい」
というご希望でした。
とはいえ、ここでいう「アイデア」とは、
単なる思いつきやひらめきではありません。
より正確に言えば、それは何らかの
「仮説」に近いものと考えていただくとイメージしやすいでしょう。
学会で発表できるレベルのアイデアとは、
「理論的には可能かもしれない」と思える仮説を構築し、その実証に向けて道筋を示すような内容を指します。
たとえばタイムトラベルの例を挙げると、相対性理論などに基づけば「理論上は可能である」という仮説は立てられますが、実際にタイムトラベルを実現するには、さまざまな物理的・技術的制約を考慮する必要があります。
一足飛びにはいかないけれども、
理論の上では十分に成立し得る――そうした仮説の段階を指して「アイデア」と呼ぶわけです。
Moon Circleの活動でも、こうした学術的な視点は大変重要だと考えています。
直感的な着想を大切にする一方で、それを理論的に検証し、複数のアプローチから「本当に成り立つのか」を吟味することが必要です。
その過程こそが研究や学問の醍醐味であり、学会で発表する醍醐味でもあるのです。
もし皆さんも、ちょっとした疑問や着想があれば、
「どうやったら理論的に説明できるか」
「どんな方法で検証できるだろうか」
と考えてみてください。
そうした小さな一歩が、新たな発見や研究テーマへとつながっていくかもしれません。
ぜひ、理論的仮説としてのアイデアを大切に育てて、研究へと結実させていってくださいね。