11月に入り、もうあと1カ月で修論・卒論を完成させなければならない時期となりました。
10月ごろから駆け込みのお申し込みが多くなるのですが、ここでよくみられる失敗の一つに
質問紙調査をつくるときに、すでに質問内容や構成で失敗しているケース、
すなわち、
質問内容や構成の妥当性を検討せず実施してしまった失敗です。
もうこの時期に入るともう一度調査をする時間的余裕がない場合がほとんどで、手持ちのデータで、まとめなければなりません。
質問紙の意図を理解するために「なぜこの質問項目を入れたのか」ということを伺っていくと、
「この内容を聞いたら面白いかなと思って」とか
「差が出るかなと思って」(性別での差とか、年齢別、経験年数別での差とか)とか
言われることが多いのですが、
それが、先行研究などを背景として説明がつくならばよいのですが、
なんとなく感覚的に思いついたという質問内容ではおよそ意味のない、というか意味のとれないデータになってしまうことがほとんどです。
場合によっては、
質問内容が重なっていたり、
統計分析で意味のある結果は「たまたま」でたけれど、
これどう解釈する?とか、
もう質問項目が多すぎて、かつ構造化されてなくて、
どこを切り取って後付け解釈作る?とか、もう分析とその解釈の段階で収拾つかなくなります。
とにかく、提出できる形に何が何でも引き上げていきますが、せっかくこれだけの対象者を集められて時間もかけられたのに、残念だなぁと思います。
なんとなく感覚的に、といった質問紙調査ではほぼ失敗します。
質問紙調査をされる場合は、当たり前のことですが
質問内容とその構成命
です。
まずは先行研究を読み込んで、
作成する質問項目の論拠を自分の中で理解して
自分が計画している研究の目的に沿っていることを十分に確認して、
その内容妥当性をよくよく検討されてくださいね。