【先に要点(結論)】
1月提出でも、実質デッドラインは12月初旬から中旬。この時点の目的は「書き切ること」ではなく、
“仮完成”を指導教員に出して差し戻しを最小化すること。
評価に直結する核(目的・方法・主要結果・考察の骨・体裁)を先に固める。
本記事は、これまで、この時期にお問い合わせの多かった質問や心配事、
「修士論文は12月に仮提出必要ですか」
「修論が間に合わないのではと不安です」
「提出後のお差し戻しを回避したいです」
「指導教員からフィードバックがなく、どうすればよいですか」
「修論提出前の最終チェックを一緒にししてもらいたいです。」
に応えるための、
実用チェックリスト+運用のコツをまとめたものです。
そして何より強調したいのは、
チェックリストは“個々人ごとに作り替える”ほど効果が出るという事実。
研究分野、手法(量的/質的/混合)、進捗、指導方針は千差万別です。
ムーンサークルでは11〜12月、トライアルセッションから“完全オーダーメイド版”のチェックリストを一緒に作るところから始めます。
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■ 【最終チェック20(差し戻しを避けるための要点)】
※まずは一般版として、そのままセルフ点検に使えます。
のちほど個別カスタム例を示します。
〔1)構成・論理(4)〕
・目的は一文で明示(序論末/キーワード3つ以内)
・先行研究 → ギャップ → 本研究の貢献が一対一で対応
・仮説(研究課題)が理論と紐づく(命題・モデル名を明記)
・章立てと本文の整合(目次・見出し・ページが一致)
〔2)方法・データ(4)〕
・デザイン(横断/縦断/準実験など)が目的に適合
・サンプルサイズ根拠(パワー分析/先行踏襲)を一行で説明
・尺度の信頼性・妥当性(α係数/出典/翻訳手順)を記載
・倫理(承認番号/同意/匿名化)・欠測処理・除外基準を明記
〔3)結果・図表(4)〕
・図表は自立的(タイトル/注記/略語解説で本文なしでも理解可)
・p値だけでなく効果量+95%CIを提示
・前提条件(正規性・等分散・多重共線性等)の点検を記述
・結果本文は事実のみ(解釈は考察へ)
〔4)考察(4)〕
・主要結果 → 理論的含意 → 実務的示唆 → 限界 → 今後の課題の(標準構造)
・先行との一致/不一致の理由を具体(標本・測定・状況)で説明
・因果表現はデザイン相応の語彙(「関連」「示唆」等)に統一
・一般化可能性の範囲(母集団・状況・時期)を明確化
〔5)体裁・引用・提出実務(4)〕
・引用スタイル(APA等)を全章で統一/参考文献は完結情報(DOI等)
・日本語の表記揺れ(全角半角・用語統一・固有名詞)を校正
・大学提出規定のチェックリストでサイズ・体裁・図表位置を最終確認
・カバーレター(研究適合性・独自性・倫理)/付録・データ共有リンクの動作確認
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■ 3週間の進め方(逆算スプリント)
Week1(設計):
・目的一文 → 章立て再編 → 方法・結果の“骨”を先に固める
Week2(実装):
・図表・効果量・前提条件の追記 → 考察の標準構造で厚み出し
Week3(仕上げ):
・引用・参考文献の一括整形 → 体裁/様式 → “仮完成版”を提出
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■ポイント
「全部を少しずつ」ではなく、
審査が見る核から締切逆算
最小到達ライン → 背骨(図表/要旨/結論) → 付録補完 → 口頭試問想定の整合の順で、3週間で“仮完成”へ。
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■まず“共通版”、そして“あなた専用版”で伸ばす
一般版のチェックリストだけでも差し戻し回避の確度は上がります。
ただ、実際の現場では次のような“差”が効いてきます。
◎分野差:看護・教育・心理・工学…先行のまとめ方や図表の作法が違う
◎手法差:量的(前提検定・効果量の言い回し)/質的(コード化・妥当性の示し方)
◎進捗差:まだ分析前/図表だけある/文章が進まない…詰まり方が違う
◎指導方針差:先生によって“刺さる体裁・論法”が違う
ムーンサークルでは、11〜12月の修論(卒論も修論に準じます)提出に向けてのサポートは
完全オーダーメイド版チェックリストを一緒に作成します。
これは一般版を土台にしつつ、
受講生の研究内容・手法・進捗・指導方針に合わせて
優先順位と作業順序を再配列し、提出日から逆算したToDoに落とすものです。
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■研究は“個別条件 × 判断”の連続
大学入試のように「決まった答えを覚える」世界ではありません。
研究は“個別条件 × 判断”の連続です。
ムーンサークルは、講師が最後まで1対1で伴走しつつ、
受講生の実力・研究内容・進捗状況に即した“その場の最適解を一緒に設計します。
代行ではなく、あなたが自走できる作法を身につけることを重視します。
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■肝心かなめは如何通りです
1.核から固める段取り(構成→分析→文章→体裁)
2.指導教員コメントへの即応(根拠提示/修正箇所の明示/Before→After)
3.“仮完成”を出す勇気と、差し戻しを最小化する技術
今日の記事が今、修論提出に向けて頑張っている方の何かのご参考になれば幸いです。









