半構造化面接でデータを取り終えて、さて、分析としていこうという段階で
「MGTAの(あるいはGTAやKJ法などの)テンプレートありますか?」
という質問を受けることがあります。
最初の頃、このように質問されて、
「テンプレートと言っても別にたいそうなものでなく、エクセルとかで表にまとめていくだけだけど」
といって、単に空白の表を渡したところ
その表に、感覚的に=主観的に、分類を書いてこられてびっくりしたことがあります。
話をよく聞いてみると、分析をしていくテンプレートはあるかという問いだったらしく…
テンプレートという言葉をおそらく、そこに機械的に当てはめていけば分析できるもの、という意味で使われていることがわかりました。
ちょっとびっくりしたのですが、初学の段階だとそういう風な発想されるにだなと、私も認識した次第です。
内容分析というのは、機械的に分析を進めれるような単純なものではなく、
多様に考えられる分類の軸があり、
それをどのように組み合わせていくか、
あるいは、いったん分類するにあたってその定義をどのように考えるか、
あるいは、あるデータが複数の分類に入る可能性が考えられるならばそのように処理していくかなど、
作ったり壊したり作ったり壊したりして、最終的に、いわゆる理論的飽和に達して完成するものです。
その後も、そして現在も、内容分析の段階で「テンプレートはありますか。」の質問をよく受けます。
内容分析のテンプレートなどありません。
分析の方向性や焦点づけはは目的や仮説などの研究内容によって多様に異なり、淡々とと機械的に進めれるものではないのです。
こういう質問を受けたとき、私はとりあえず、
サンプルを示して、それぞれの手法と手順を説明して、
実際のデータをもとに「練習」して、分析を進めていただくようにしています。
結局のところ、学問に王道は無し、という事ですね。