ムーンサークルの河原町御池オフィスと祇園オフィスの間を移動する時、三条大橋を渡ります。
今年は三条大橋の補修工事があって、つい最近、白木の橋が完成しました。
三条大橋と言えば、古色蒼然とした歴史を感じさせる欄干、といったイメージでしたが、こうして、新しい木に変えられるとは知りませんでした。
もちろん、欄干の烏帽子の金具は元のものがつけられていて、江戸末期の争乱の時代に三条大橋で切りあった侍の刀傷はそのまま残されています。
何か、三条大橋が初々しくなって新鮮な気分です(⌒∇⌒)
基本的に、多くの大学院ではある程度の体裁が整っていれば合格になる場合が多いように思います。
もちろん、トップレベルの大学院になると質は当然ながら要求されますが。。・
今日は合格と不合格のボーダーラインで、
内容の質以外に影響していると私が思うところの要因を、
これまでの15年の経験からつらつら、いくつかの記事に分けて書いてみたいと思います。
一番多いケースは、
指導教官との関係性です。
相性と言いますか・・・。
意味もなく嫌われてしまう場合もあるようです。
何が何でもきつく当たられる。
同じような進捗で質なのに、自分だけにきつい。
中には、メンタルをやられてしまう人もおられます。
もう、あきらめて退学される方もおられます。
心折れそうになるのは重々わかります。
しかしながら、せっかく志をもって入学したのに。
意を決して、入学したのに。
仕事の都合、家族の都合、経済的な都合の
諸々に対処する算段を調整して入学したのに・・・
ここはひとつ忍の一文字で頑張りたいところ。
まずはコミュニケーションをもつ。
は?!、それが無理なんだけど・・・
という声が聞こえてそうですが、、難しく考えず、
一方通行でも良いので、とりあえず、
進捗状況を報告する・・・・
面と向かってはハードルが高いでしょうから、
メールがいいですね。
ちょっと嫌味な言い方ですが証拠も残ります。
その時に、注意したいのは、関係性がこじれている場合は、
「コメントをお願いします。」とか
「ご指導を宜しくお願いします。」とかいった、
向こうに何らかのレスポンスを求めない。
まぁ言い方を変えれば、
そもそもそういうことを期待しない。。。という延長上で、レスポンスを求めない。
場合によっては、その内容が面白ければ、研究として興味を持たれて、突然、指導が始まることもあります。
何らかのレスがあれば、それに対して対応できる=コミュニケーションをとることもできます。
究極「送ってくるな」と言われても、
それはレスだから、それをきっかけにでは、
「たびたび送ってすみません。
では、ある程度内容がまとまった段階になったら
ご報告させていただければ幸いです。」
とか、とにかくコミュニケーションをつなぐ。。。
しかしながら、向こうに無理強いはしない。
学校と言えども人付き合いの方策は活きます。
今日は指導教官とのコミュニケーションについて書いていますが、
研究室の先輩や後輩、同僚との関係も、研究だけでなく、
対人関係の適応能力が、結構大切です。
そのうち、研究の内容に興味をもたれるかもしれません。
何度もコンタクトをとるうち、
親近感が増して悪い関係性が氷解する可能性もあります。
実際、今まで、
コンタクトをとることで関係性が改善(100%と言えないまでも)していく例がいくつかありました。
私たちの個人指導では、研究の内容だけでなく、
受講生の方の指導教官の性格特性を見て、
それぞれに応じたより良いコミュニケ―ションを
一緒に模索していくということも結構重要な要点です。
やはりやる気が大切ですから。
メンタルをやられていては前に進みません。
時々、セッションを持ちながら
カウンセリングやコーチングをしているなぁと思うことが多々あります。
それぐらい、大学院での人間関係ってセンシティブな問題のように感じます。
大学一回生の段階からこのようなことに気を付けていっていくことがベストですが、
二回生になっても、あるいはもう提出直前になっても、遅くはありません。
最後までくらいついていく。
あきらめないことが肝心かなめです。
先日、東京の対面個人指導で、4時間ぶっ通しで、
修論論文作成のプロセスを進めた時のホワイトボードをアップしながら説明していきたいと思います。
今日はその第2弾
事例研究の中で
参与観察という手法を行うことがあります。
社会調査で用いられる方法のひとつで、
研究者自身が調査対象となる地域や集団の中に参加して、曽於での事象を様々な面から観察して記述する、観察法の一つです。
例えば、子どもの遊びを調査する場合、その子供たちの遊びの中に入って、その遊びを質的に観察・記述するといった方法です。
記述するだけでなく、
音声データやビデオなどをとる場合もあります。
私どものところには、
参与観察をされてとりあえず、データは収集したはいいものの、ここから何が言えるのかで、はたと困ってしまった段階で、ご相談に来られる方が多いです。
参与観察に関わらず、どんな研究でもそうですが、
研究の「目的」が何であったか、絶えず意識しながらデータ収集を行わないと、
データが迷子になってしまいます。
データが迷子になってしまったとき、どうすればよいか。。。
先日の直接対面セッションは。ちょっとそこでつまづいて、データだけ取ってしまったそんな段階でのご相談でした。
行っていくプロセスとしてはまず
➀かする程度でもいいので、目的に沿った分析ができる場面をまず抽出していきます。
言葉は悪いですが、針小棒大でも良いのです。
とにかく何かもう敵に沿ったことが言えそうな場面をまず抽出。
➁次に
それぞれの場面を整理できるテンプレートを作成し、それにのっとって、
事例となる場面を整理分類していく。
このテンプレートは、データ内容によって異なります。
例えば、大まかな天応レートとしては
(1)概要(いつ、だれが、どこで、どれぐらい、何をなどを箇条書きにしつつ纏める)、
(2)観察された事象を時系列に並べる、
(3)それから分析の結果をまとめる、
例えば、
目的に沿ってその場面からどのような解釈が可能か、どのような考察が可能かなど。
ここが大切なところ
場合によっては
(4)「まとめ」があっても良いですね。
③実際に作ったテンプレートに基づいて、それぞれの場面を分析していく。
と同時に、テンプレートの微修正もおこなっていく。
と、ここまででも結構時間がかかります。行きつ戻りつ。。。
④テンプレートに従って取り上げた場面全部をにらんで取捨選択し、
論理的な筋道で場面を取り上げて説明していくかを考えて
研究としてのストーリーを作って行く。
ここが研究の要
ざっくりというと上記の作業を行っていくことになります。
先日の東京の対面個人指導では
実際のビデオや写真を机に並べて、こデータを共有してこの作業を行っていきました。
およそのテンプレートを完成させて、場面をまとめる例を示して、一緒に場面を検討していく。
3時間の作業ですべてを終えることは難しいでしたが、
プロセスを共有していくので、要領は理解していただくことができ、
残りは宿題ということで、家で続きをしていただきました。
そのデータを二日後にオンラインで確認し残りの作業を完成させる。
分析や作業の思考の過程をホワイトボードで書きつ消しつつ、こういう時は対面個人指導の良さがありますね。
3時間が過ぎた時は趣向性の方も私も少々ぐったりですが、進んだという達成感があって、その次のプロセスに勧めう¥る高いモチベーションが維持できたように思います。
ちょっと長い記事になりましたが、これから参与観察される方の参考になれば幸いです、
毎年、夏が終わったころに、
「まだこれから実験データをとるんです。」、とか、
「これからインタビュー調査をします。」、とか、
いわゆる10月に入ってもまだデータ収集がまだできていないという段階で、
焦りの面持ちでのお問い合わせを多くいただきます。
中には、
「まだ目的が定まっていません。」
とかいった強者もおられます。
二年前に、春の中間発表が終わり、秋の中間発表が終わった直後の方から
「発表後、担当教員から、『インタビューの内容がまだ十分に練り込まれてないから、
もう1月提出は無理でしょう。次の1月提出を目指しましょう』と言われました。
でも私としてはどうしても1月に提出したいです。何とかサポートしてください。」
といったオファーを受けました。
以前にも書きましたが、修論の不合格は提出してから不合格になるのは、おそらく1割にも満たず、
ほとんどの場合は提出前に
「提出不可」、
あるいは、
来年にしなさい、といった「指示」がでるようです。
さて、この人の場合は不可、というよりニュアンス的には「指示」でした。
これまでの研究計画を拝見すると、インタビューの質問が練りこまれていないというよりも
根本的に目的がそもそも明確に書けていない、
正確に言えば、
先行研究の読み込みが十分でなく、結果的に目的が何かわからないという印象でした。
このようなケースではまず、
一番の優先事項は期日に間に合わせること。
本来ならじっくりと先行研究の精読から始めるところですが、それをやっていると間に合わないので、
➀先行研究の要所のピックアップを一緒に、全速力でやりつつ、
➁インタビューで明らかにしたいことを文字で書き起こし、書きおこしを繰り返しつつ
(=リサーチクエスチョンでもあり、目的でもあり)
③インタビューで聞く質問を構造化して作り上げる
(=インタビューガイドを作ることでもあり)を、
同時にやっていきます。
かなり効率よく進めないといけないので
私たちが主導して期日に間に合うスケジュールに受講生の方を引っ張り上げていく、
という方法をとります。
ある意味突貫工事でもあります。
しかしながら、書くべき材料となるデータがそろってないと、論文は全く何も進まない。
不思議名もので、このようなプロセスを一緒に集中して進めることで、受講生の方も論文を考えることの面白さに気づかれることが多く、
その結果最終的に
、最後の口頭試問でも質問に耐えうる理解を持たれるケースを多々見てまいりました。
これも何度も書いてきていることですが、
最後まであきらめない、
これにつきます、
今年はやめて来年に回す、それがポジティブな理由なら良いですが、
あきらめることが理由ならば、来年もまた同じことが繰り返されるかもしれません。
今、提出できるかどうか不安に思われている方は、どうぞ最後まであきらめずに走りぬいてください。
ホワイトボードで研究のプロセスを共有し、
論文の骨格、意義ある結果の抽出、論理的考察を
一緒に作り上げる充実した2時間の対面個人指導
直接対面直接個人指導トライアルセッション
30000円(通常)⇒ 27000円(3000円割引)
10月末日までのお申込・ご入金の企画です。
行き詰っている研究計画に風穴があけるべく、
どうぞ、お気軽にご活用ください。
卒論・修論・博論・投稿論文執筆に助走の一歩を後押しする
オンライン個人指導の割引応援企画
通常オンライン個人指導セッション
1コースにつき2000円割引
10月末日までのお申込・ご入金の企画です。
行き詰っている研究計画に風穴があけるべく、
どうぞ、お気軽にご活用ください。
*お申し込みが一定数に達しましたら、期日前でも終了いたしますので、ご了承ください。
先日、東京の対面個人指導で、4時間ぶっ通しで、
修論論文作成のプロセスを進めた時のホワイトボードをアップしながら説明していきたいと思います。
この方は、観察記録のデータを多く収集できている状況であったものの、
目的や先行研究の検討がまだ充分でなかあったため、
とりためたデータからベクトルを反対に向けて、目的や先行研究を精読していこうということになりました。
まずは、取られているデータを拝見して、
どのような研究視点が抽出できるかを一緒に検討していきました。
様々なポイントは自由に考えられるものの、
後々の考察や先行研究とのつながりを意識して、ピックアップしていかねばなりません。
データを取っておられた時は何となく取っていたということでしたが、そこには何らかの意図があったはず。
それを説明していただきながら、
一緒に、データを精査して抽出できる点をホワイトボードの板書していきました。
こうして可視化することで、漠然ともやもやとしていたものがはっきりと形を成してくるのをいつも面白く思います。
インタビュー調査であれ、アンケート調査であれ、データだけ先に集めてしまった、どうしようと悩んでいる方は、まずはそのデータをぐっとにらんで、
どのような研究視点が抽出できるか、文字で書き出してみてくださいね。
可視化することで、漠然としていた思索が究極的に意識に明確に上がって、整理できるようになります。
主に社会科学の分野で
インタビュー調査などの言語データを収集、分析して、
最終的にモデルを作るという結果のまとめ方があります。
収集された言語データから
何らかのテーマやパターンを見出して
複雑な社会現象や人間の行動を洞察するアプローチです。
この「モデル」を構築するというのは、
質的調査の最終目標で理論構築をすることでもあります。
このモデル構築によって、考察しようとしている
現象の背後にあるメカニズムや関連性を理解する手助けとなります。
例えば、複雑に絡まる
要因がどのように影響し合っているかなどを考察し、説明することができます。
先行研究を十分に読み込んでいるならば、
調査前に、仮説モデルを提示することもできるでしょう。
仮設モデルを提示し、
実際に調査してデータ収集し、
パターンを見出してモデルを作り理論構築する
。。。これができれば、とても評価される論文となるでしょうね。
言い換えれば、非常に難易度の高い研究でもあります。
もちろん、得られたメカニズムやパターンは、ある特定の対象から得られたデータから構築されているので、
一般的な傾向や普遍的な法則を導き出すことには慎重になる必要があります。
ゆえにそれを補う方策として、
量的研究をセットにするということが考えられます。
私たちは、社会科学の分野でのサポートをする場合、十分に時間的余裕があると考えられる時で、対象者を得られる算段がある場合、
できるだけ質的研究と量的研究との両方を行うように提案する時が多いです。
先日、四日後の論文途中の報告発表会に、仮説としての仮モデルを作ってほしいという依頼があって驚きました。
論の一部の文章をモデルを作成して書き方をご指導する私たちのモデル作成サポートをそのようにとられてのご依頼だったのですが、
そのあたりの誤解があったとはいえ
まだインタビュー調査をするかどうかわからない、
対象者が決まっていない、
リサーチクエスチョンが決まっていない、もちろんインタビューガイドもできていない、
それ以前に先行研究で何を読めばいいかわからない、
そういった段階で、仮説となる仮モデルの作成などはできません。
それは研究の本体であるという意味でも、私たちがそれを作成すると代行作業のようなものなのでできません。
「先輩方の論文を見たら。そのようなモデルが提示されていたから」
といったお話でしたが、そこに掲載されているモデルの作成に至るまでに、多くの時間と労力が費やされています。
これからモデルを作ろうと思っている方々は、
十分に先行研究を読み込み、
リサーチクエスチョンを練ったうえで、
インタビューガイドを作成し、
モデル構築の研究に臨まれてくださいね。
ムーンサークルの河原町オフィスはオフィスは河原町通りに面していて、河原町御池の角にあります。
7月17日の祇園祭の巡行はちょうど目の前を通ります。
そして、巡行の見どころのひとつが大きな背の高い鉾(ほこ)は河原町から御池通りに曲がる時。
昔からのまま、丸太を並べて水を撒いて人力で回ります。
もちろん1回では回れず、何回か、掛け声とともにやっとこさ。。。。
無事周り終えたときには見物の人たちから大拍手。
私が好きな「山」は蟷螂山。
牛車の上になぜだか大きな蟷螂がのっていて。
この発想素敵です。
で時々、この蟷螂が腕を上げたり左右を見たり羽を広げたりして、沿道の人たちに愛想を振りまきます。
かわいい。。。
河原町御池の角は、花形場所なので、ここにかかる時には必ずからくりがうごきます。
河原町オフィス、ここの場所に決めて良かったなと思います。
修士論文や卒業論文の構想をゼミで発表する機会が多い時期となりました。
この時期、多いサポート依頼が、
ダメ出しを受けて落ち込んでしまいどこから手を付ければよいのかわからないのでサポートをしてほしい
ダメ出しされて自信がなくなってしまった。一からサポートしてほしい
といったお問い合わせです。
ダメ出しを受けるのは辛いことですが、それを
建設的な学びの機会に変えることが重要です。
諦めずに前向きな姿勢を持ち、必要な改善を行いながら修士論文を進めてください。
対処の重要なポイントをまとめてみますね。
➀まず冷静に受け止める
つい、悲しいとか悔しいとか感情的な気持ちにおちいってしまいがちですが、まずは冷静に受け止めることが重要です。
ダメ出し=批判的なフィードバックは
成長の機会であり、
修士論文をより良くするための
貴重な情報を与えてくれるものと理解して、
ポジティブにとらえていきましょう。「
➁ダメ出し(フィードバック)の内容を具体的に理解する
パニックになってしまいがちですが、ダメ出しの内容は次に改善してゼミにもってこなければなりません。
それゆえ具体的に理解することは必須。
質問や追加の説明を積極的に求めていきましょう。
どのような部分が問題だったのか、
どのように改善すればよいのか、
といった具体的なアドバイスを求めることが重要です。
それは見方を変えれば、
指導教員やゼミのメンバーとのコミュニケーションを深める機会でもあります
③ダメ出しを受けた点についてリサーチを進める
ダメ出しの内容を具体的に理解できれば、次にすることは
関連する文献の調査や、
同様の研究や論文の分析を行うことで、
改善のヒントを得るということが重要です。
単に頭の中で考えてばかりでは、ぐるぐる空回りするばかりで建設的ではありません。
ヒントになる先行研究を検索して、抽出して分析する、これは研究の第1歩でもあります。
こういった手順を進めるにあたって、行き詰ったならば、
指導教官やゼミのメンバーにサポートを求めることも大切です。
ただ、なかなか、様々な人間模様や個性のぶつかり合いがありうまくいかない場合も多い。
手前味噌ですが、このようなサポートを求める一つの方向性として、ムーンサークルで提供しているサポートが機能しているように思います。
ゆえにこの時期、段階での、サポート依頼が毎年多いのはうなづけるところがあります。
ダメ出しを出されても、
諦めずに前向きな姿勢を持って、
必要な改善を行うなど、
具体的なプロセスを進めて論文完成を目指していってください。
© 2023 mooncircle - Theme by Themefyre