5月も中盤に差し掛かり、今年度に卒業論文や修士論文を執筆される方は、
指導教官から研究計画を立てるように言われている方も多いのではないでしょうか。
今日は、そもそもこの時期(5月~6月)に研究計画をしっかりと作成することの意義について今一度確認しておきたいと思います。
意義は大きく分類すると5つあります。
1>まず、目標の明確化
研究計画を5月~6月、すなわち早期に策定することで、研究の目的や研究問題が明確になります。
これにより、何に重点を置くべきか、どのような方法で研究を進めるべきかが具体的に定まり、効率的に作業を進めることができます。
2>次に時間管理の最適化
卒業論文や修士論文は長期にわたるプロジェクトです。
計画を早めに立てることで、必要な作業に対してどのように全体の期間を分割して行えばよいか、見通しを持つことができます。
余裕をもって進めることは、質の高い研究を進めることでもあります。
特に調査データ収集や実験など時間がかかる作業には、計画的に取り組む必要があります。
3>さらに忘れてはいけないのはリソースの確保
研究には多くのリソースが必要です。
研究のリソースとは、➀文献、➁データ、③機材、④人的支援を指します。
➀文献とは研究テーマに関連する書籍、学術誌、論文などの情報源のことで、
これらは研究の基盤を形成し、理論的背景や先行研究の理解に不可欠です。
➁データとは調査データなど、研究のために分析する必要がある情報で、定量的データだけでなく、質的データも含みます。
③機材とは、研究や実験に必要な装置、ソフトウェアなどもことで、PSの準備に始まり、統計ソフトなどがこれに属します。
④人的支援とは、研究室の仲間や先輩、、指導教員など、研究過程で助けとなる人たちのことで、
アドバイスや技術的支援、データ収集の協力など、様々な形で支援をふくみます。
4>それから忘れてはいけないのが問題の早期発見と対処
研究のプロセスが始まってから計画の不備や予期せぬ問題が見つかった時に研究計画を早い段階で作成し、実行しておくこと、
それらの問題を早期に発見して対処することができます。
つまり、研究の大きな遅延を避けることができてかつ、最終的な質の維持にもつながります。
5>最後に指導教員とのコミュニケーション
早期に研究計画を立てることで、指導教員と定期的に進捗を共有し、フィードバックを受けることができます。
例えば、指導教員の期待に沿った方向で研究を進めることもでき、
より有意義な指導を受けることできます。
このようにこの時期(5月~6月)に研究計画の提出が求められる、あるいはゼミ発表で、全体計画の報告が求められることは、意味があることなので、
ここでしっかりと作成しておかないと、大きな回り道をすることになりかねません。
時々、5月6月の研究計画について「適当に書いて出しました。」ということを言われることがあるのですが、
ここはひとつ大きなマイルストーンと思って、しっかりとした計画を立ててください。
ここからの一歩が研究の成功にとって非常に重要です。