毎年、夏が終わったころに、
「まだこれから実験データをとるんです。」、とか、
「これからインタビュー調査をします。」、とか、
いわゆる10月に入ってもまだデータ収集がまだできていないという段階で、
焦りの面持ちでのお問い合わせを多くいただきます。
中には、
「まだ目的が定まっていません。」
とかいった強者もおられます。
二年前に、春の中間発表が終わり、秋の中間発表が終わった直後の方から
「発表後、担当教員から、『インタビューの内容がまだ十分に練り込まれてないから、
もう1月提出は無理でしょう。次の1月提出を目指しましょう』と言われました。
でも私としてはどうしても1月に提出したいです。何とかサポートしてください。」
といったオファーを受けました。
以前にも書きましたが、修論の不合格は提出してから不合格になるのは、おそらく1割にも満たず、
ほとんどの場合は提出前に
「提出不可」、
あるいは、
来年にしなさい、といった「指示」がでるようです。
さて、この人の場合は不可、というよりニュアンス的には「指示」でした。
これまでの研究計画を拝見すると、インタビューの質問が練りこまれていないというよりも
根本的に目的がそもそも明確に書けていない、
正確に言えば、
先行研究の読み込みが十分でなく、結果的に目的が何かわからないという印象でした。
このようなケースではまず、
一番の優先事項は期日に間に合わせること。
本来ならじっくりと先行研究の精読から始めるところですが、それをやっていると間に合わないので、
➀先行研究の要所のピックアップを一緒に、全速力でやりつつ、
➁インタビューで明らかにしたいことを文字で書き起こし、書きおこしを繰り返しつつ
(=リサーチクエスチョンでもあり、目的でもあり)
③インタビューで聞く質問を構造化して作り上げる
(=インタビューガイドを作ることでもあり)を、
同時にやっていきます。
かなり効率よく進めないといけないので
私たちが主導して期日に間に合うスケジュールに受講生の方を引っ張り上げていく、
という方法をとります。
ある意味突貫工事でもあります。
しかしながら、書くべき材料となるデータがそろってないと、論文は全く何も進まない。
不思議名もので、このようなプロセスを一緒に集中して進めることで、受講生の方も論文を考えることの面白さに気づかれることが多く、
その結果最終的に
、最後の口頭試問でも質問に耐えうる理解を持たれるケースを多々見てまいりました。
これも何度も書いてきていることですが、
最後まであきらめない、
これにつきます、
今年はやめて来年に回す、それがポジティブな理由なら良いですが、
あきらめることが理由ならば、来年もまた同じことが繰り返されるかもしれません。
今、提出できるかどうか不安に思われている方は、どうぞ最後まであきらめずに走りぬいてください。