主に社会科学の分野で
インタビュー調査などの言語データを収集、分析して、
最終的にモデルを作るという結果のまとめ方があります。
収集された言語データから
何らかのテーマやパターンを見出して
複雑な社会現象や人間の行動を洞察するアプローチです。
この「モデル」を構築するというのは、
質的調査の最終目標で理論構築をすることでもあります。
このモデル構築によって、考察しようとしている
現象の背後にあるメカニズムや関連性を理解する手助けとなります。
例えば、複雑に絡まる
要因がどのように影響し合っているかなどを考察し、説明することができます。
先行研究を十分に読み込んでいるならば、
調査前に、仮説モデルを提示することもできるでしょう。
仮設モデルを提示し、
実際に調査してデータ収集し、
パターンを見出してモデルを作り理論構築する
。。。これができれば、とても評価される論文となるでしょうね。
言い換えれば、非常に難易度の高い研究でもあります。
もちろん、得られたメカニズムやパターンは、ある特定の対象から得られたデータから構築されているので、
一般的な傾向や普遍的な法則を導き出すことには慎重になる必要があります。
ゆえにそれを補う方策として、
量的研究をセットにするということが考えられます。
私たちは、社会科学の分野でのサポートをする場合、十分に時間的余裕があると考えられる時で、対象者を得られる算段がある場合、
できるだけ質的研究と量的研究との両方を行うように提案する時が多いです。
先日、四日後の論文途中の報告発表会に、仮説としての仮モデルを作ってほしいという依頼があって驚きました。
論の一部の文章をモデルを作成して書き方をご指導する私たちのモデル作成サポートをそのようにとられてのご依頼だったのですが、
そのあたりの誤解があったとはいえ
まだインタビュー調査をするかどうかわからない、
対象者が決まっていない、
リサーチクエスチョンが決まっていない、もちろんインタビューガイドもできていない、
それ以前に先行研究で何を読めばいいかわからない、
そういった段階で、仮説となる仮モデルの作成などはできません。
それは研究の本体であるという意味でも、私たちがそれを作成すると代行作業のようなものなのでできません。
「先輩方の論文を見たら。そのようなモデルが提示されていたから」
といったお話でしたが、そこに掲載されているモデルの作成に至るまでに、多くの時間と労力が費やされています。
これからモデルを作ろうと思っている方々は、
十分に先行研究を読み込み、
リサーチクエスチョンを練ったうえで、
インタビューガイドを作成し、
モデル構築の研究に臨まれてくださいね。