受講いただいている方々の中には、将来、研究者になりたい方、大学等の高等教育機関で教員のポジションに付きたい方もおられます。
そのような方々は当然博士課程、あるいは博士課程後期に進学されて、博士論文、投稿論文に専念されるわけですが、本当にその道は苦労と努力の連続といっても過言ではありません。
また、場合によっては、指導教官が協力的にご指導してくださるとも限らず、その時は文字通り孤軍奮闘していくこととなります。
今日は、そのようなケースで、指導教官から十分なご指導を得られなかったけれども、
苦労と努力の末に教員のポジションと研究者としての功績を確実に積み上げられてた一例について記事にしたいと思います。
この方は、修士課程の時期は大手の企業にお勤めで、某大学院で学ばれていたのですが、何かしら指導教官と馬が合わず。
将来的には研究職のポジションを得て仕事を得たいというご希望があり、論文の投稿を進められようとするのだけども、
君の論文はどお学会に出しても認められないから、とか
共同研究者に僕の名前は入れてくれるな、とか
博士課程進学はうけいれられない、とか。
ご指導以前に理不尽に拒否されている印象がありました。
ご本人も相当へこまれていて、私共の方では研究のみならず今後の進路についてもご一緒に考えていきました。
やむなく修士は修了されて、会社へ戻られつつも、研究職への夢はあきらめずに論文の執筆をストックされてきて、転職も経験されたのちに、博士課程への進学先も模索されながら、投稿論文のアクセプトを複数実現されました。
その後、ご縁があって、某大学の講師に応募され、めでたくそのポジションに付かれています。
しかしながら、研究職の最初のポジションは、
一年、または二年ごとの更新制で、
実質その期間で終わりの契約であったり、
大学側が提示される条件(投稿論文のアクセプトを二本など)をクリアしなければ更新がなかったりする場合がほとんどです。
この方の場合は後者のケースにあたりました。
会社員時代と比べて年収は下がったものの、希望していた研究職への就職で、生き生きとご研究に取り組まれている様子が私共の方にも伝わってきて、就職後これまでストックされていた論文をどんどん投稿されていかれました。
更新制の講師から常勤としての助教授、教授へのキャリアパスへつなぐには一定数の投稿実績が必要とあって、それも強い動機になられたご様子。
修士から引き続き投稿論文をサポートさせていただいて、投稿先をどこにするかも熟考を重ねつつ、これまですべての投稿がアクセプトという実績を積まれてたことには本当に敬意を表します。
そして。先日、なんと学術雑誌の「査読者」になってほしいという問い合わせを受けられたとのこと。
ポイントを絞ったご研究を様々な角度から掘り下げて、いつの間にやらその領域で名前があがる研究者となられたのでしょう。
これまでのご苦労を思い出と、本当に「してやったり!」という気分で感慨にひたりました。
もう私どものサポートはご必要ないのではありませんか、
の問いに、
ディスカッションの場としてこれからも継続させていただきたい
というご要望に、大変恐縮している次第です。
ご本人の努力は当然のことながら、
初志貫徹の精神で何事にもめげずにひたすら前を向いて歩まれてきたこと、
そして
本当に興味関心のあるテーマを続けられてきたこと
も勝因であったなぁとつくづく思っています。