今年度、論文のまとめかたに私も勉強させていただいた事例が2つありました。
奇しくも異なる大学で、一つは卒論、もう一つは修論。
学術領域も全く別です。
そこで指導教官からのご教示は、論文を書く前にA4用紙2枚程度に要旨をまとめろと。
普通、要旨は全部書きあがって筋が見通してから書けるものですが、まだ本体ができていないのに、あらすじを書けということです。
その内容も単に
「こんなことを書く“つもりです”」といった研究計画もどきではなくて、
論文で参考する先行研究もすべて入れて、
予測される結果とそれに対する考察までまとめよと。
で、それが書けないならば、提出は認めない、ということでした。
えっぇ~!!!とちょっとびっくりして、それはそれは一緒に鉢巻きを巻いて、
先行研究を検索し読み込み、
ストーリーを練り上げて、
あらかたを作り上げて、やっと一段落。
ところが今度、それをA4用紙2枚にまとめるというのは大変な作業。
枝葉を削って、最もシンプルな形に書かねばなりません。
受講生の方には何度も書き直しをご指導して、やっとA4用紙2枚(字数にして2500文字ぐらいでしょうか)にまとめられ、やっとこさ提出。
そして本体の論文の提出許可をいただかれました。
その後、論文を書いていくわけですが、もうそこまででよくよく考えてきたのと、かなり集中して取り組まなければいけない状況(提出までの期間が1カ月未満)だったので頭がガンガンに活性化していて。
もうそれはそれは面白いほど、サクサクと、論文の論理的流れも滞りなくまとまりました。
何というか、かなりハードなご指導ですが、こういうスタイルも有効だなぁと、学んだ次第です。