先日、中間発表後に大きく方向が変わってどうしようかと迷っているという工学系の方からのご相談がありました。
ある仮説があって、その妥当性は実験で検証すると。
お話だけ聞いていると、それはもう、とっても間に合わないだろうという話です。
しかしながら、ここは間に合わせるしかありません。
そこで、まずは自分が仮説として持っている内容に
一番近い先行研究を検索する、ここからです。
重要なことは、検証している内容が「、自分が行おうとしている研究の内容に
「一番近い研究」。
言い換えると
「ぴったりの研究」ではありません。
よく、自分のやりたいことに参考になる先行研究が見つからないという話を聞くのですが、そもそも、自分自身が考えていた仮説自体が妥当であるのか、そこから、考え直さなければなりません。
多くの場合、妥当でないです。いわゆるアイデア倒れである場合が多い。
ですから、自分の仮説基準で探していても、的確な先行研究はみつかりません。
先行研究は投稿論文なのでそれ相応の査読で評価されて掲載されています。
自分の仮説基準でなく、研究テーマに一番近い先行研究をまず探して、それを基準として
自分の仮説なりと適合させていく方が合理的です。
「妥協」という言葉も私は使うことはありますが、
正確には「適合化」
が近いかと思います。
まとめると、
自分の研究テーマに一番近い先行研究を見つけて、それと全く同じ方法を用いて、変数の部分を変えてみる、
まずはここからが研究のスタートかと思います。
研究が振り出しに戻った時は慌てず騒がず、まずはじっくりともう一度先行研究の検索、精読から始められてください。