昨年度、性格特性と行動との関係を見る卒論のご研究で、焦点づけた性格特性と行動は興味深く、最初の計画では面白い内容になりそうな予感でした。
しかしながら、しばらくして持ってこられた分析では、性格特性の尺度で収集したデータからクタスター分析をして、性格特性の複合から作られる類型を作って、行動で使った尺度で収集したデータについて、類型間での比較をするという形になっていました。
アイデアとしては良いのですが、類型が4タイプ出てきて、その特徴の相違がシンプルにはつかめない。
そして行なった分散分析で、差が出てきたのは一つの組み合わせのみで、その解釈も難しい
このケースに場合は、チューターの方が主導されていて、それに従わなければいけない空気があったようで、致し方なかったですが、単純にまずは性格特性と行動パターンの相関を取ることをされれば良かったのではと思います。
また、一つの方法で分析することのみで終わるのでなく、属性で分類してもう一度やってみるなど柔軟に考えて、分析のいくつかのバージョンを検討されてみても良かったかと思います。
修論では相関レベルでは認められないことが多いですが、卒論ではまず大丈夫ですし、何より、最初に興味関心を持たれたテーマをご自身が納得をもって理解されてご研究を楽しまれることができたでしょう。
ともすると統計という道具に「使われる」ことがあるので注意が必要です。
統計分析をしたことで満足されないようご注意ください。