時々、モデル作成を「代行」と勘違いされて、お問い合わせを受けることがあります。
私たちのモデル作成は、添削すると結局ほとんど書き直しになるような場合とか、書くべき材料がそろっていて、書きたい内容も固まっているのだけど、学術的な文章や説明をどう書けばよいのかわからないといった場合に、一部についてモデルを作って、それをもとに書き方の指導をすることを指します。
それから当然出来上がったモデルの部分は、最初の書上げなので、それをたたき台として推敲を重ねて完成させていかなければなりません。
「代行」というのがどういうシステムなのかはよくわかりませんが、いわゆる「丸投げ」と思っているので、そういう意味で、ここでは書いていきますが、私たちは「代行」のご依頼は、お断りしています。
その理由は2つです。
まず、全くの丸投げでは、普通に考えて通りません。
まず、口頭試問が通りません。
自分が汗水流していない論文はちょっと質問をして、その受けごたえを聞けばすぐわかります。
おそらく全く論文の内容を理解していないしどろもどろの受けごたえ他、頓珍漢な受け答えに終始するでしょう。
それと、コピペは当然のことながら、文体をみれば、あちこちの論文のつぎはぎなのかはほぼわかります。
私たちの方で、初めてのセッションで書きあげた論文を拝読させてもらったとき、コピペの技萩野論文はすぐにわかります。
たくさん文章を読んでいれば、なんというか、感覚ですぐにわかるものなのです。
もし丸投げで通ったとしたら、それは合格させた大学の方にも問題があるでしょうね。
ちゃんと読んでいないということですから。
それと二つ目は、そもそも「代行」でワープして、あなたの学業の締めがそれで良いですか?といった問題です。
論文を書くのは大変な作業で、ましてや初めての論文となれば、資料を検索したり、先行研究を選びあげたり、アイデアから研究のストーリーを構築したり、調査(実験)の準備、本調査(実験)、データ収集、分析、とそれはそれは、普通の日常生活では遭遇しない多くの汗をかかねばなりません。
しかし、そういう過程があってこそ、合格したときは感無量になり、
一つ成し上げた証としての学位が嬉しく、
自信もついて
それからの人生に新たな可能性が生まれると思います。
「代行」を利用することによって、論文執筆を経験して学びの機会を逸するのは何とも残念なことです。
実際、代行でのお問い合わせは、モデル作成を「代行」と間違ってのお問い合わせに始まって、お断りしても、いわゆる札束を積むから的なご依頼や、いくらでと向こうから額を提示してのご依頼まであり、おそらく、それぐらい、よくある商売なのだろうなぁと思います。
受講生の方との雑談の中で、実際にそういうサポートを依頼された知人の話題も出たことがあり、いわゆるコピペのモザイクのような論文になっていたそうで、提出論文としてははねられたとも聞きました。
もちろん後で「代行」であったことが分かれば、学位の剥奪にもなるでしょう。
そういう生殺与奪をどこかの誰かが握っているということでもあります。
卒論や修論のどこを評価するかという話を知人の大学で教鞭をとる人たちに聞くと
論理性や独自性など、いわゆる論文の評価基準は当然あるけれども、初めての論文でたいそうなことは期待していないと。
それよりもまず、「どれだけ汗をかいたかだ」ということを言われることが多いです。
今日の記事がこれから論文を書こうと思っている方々の何かの参考になれば幸いです。