【効果研究はシンプルそうに見えて難しい】
ある教授法についての効果研究を行うテーマについて、先日、セッションを行いました。
内容はその調査の条件の統制と検証したい効果を最もうまく抽出できるようにするための留意点についてのディスカッションです。
効果を純粋に検討するためには操作する条件以外はできるだけ統制されていることが必須となります。
また効果研究は効果が得られることを実証するためにセンシティブな条件を検証し、積み重ねていかなければなりません。
どのような状況で実施するか、どのよう案対象でその方法を行うか、どのような形式でデータを集める等々、できるだけ隙のないように詰めを行っていく必要があります。これがなかなか難しい。
シンプル(わかりやすい)なためか、効果研究をしたいという方が割と多いのですが、なかなか曲者です
w(゚o゚)w・・・
【研究デザインが活用できる先行研究の検索】
こういう場合、同じような研究デザインで行われた先行研究を参照すると非常に勉強になります。
まずはざっくりと自分の考えている方法を書き出してみて、頭の中のアイデアを可視化する。
なんのたたき台もない状態でやみくもに「話しているだけ」では、時間ばかりかかって、効率よくプロセスを進めることができません。
で、書き出してみて、それでいいのかどうかを自分なりに検討するため、同じような研究デザインの先行研究の方法を当てはめてみます。
このような先行研究の検索を課題として受講生の方にしていただくと「同じ研究が見つからなかったんです。」とうお返事が時たまあります。
しかし、内容が同じ研究である必要はなく、研究デザインが同じであるものを探せばよいのです。
全く別の領域でも参考になるものは少なからずあるはずです。
で、その研究デザインと自分の書き出した方法を比べてみると、面白いように「穴」が見つかることが多々あります。
言われてみたらそうだとわかるのに、なんでこれに気が回らなかったんだろうかと。
ちょっとした間違い探しや、かくれんぼごっこのような感じですね。
先日のセッションでは、検索で提示した先行研究が期待以上にうまく当てはまって、二人で侃々諤々盛り上がりました(笑)。
当初、スケジュールのタイトさに不安があったものの、フィールドはすでに確保されていたので、この時に完成された「方法」ですぐに調査にかかられ、今は収集したデータの整理と分析段階です。
先行研究を精読する理由はその領域での主要な理論の流れや最新の研究を抑えるなど「問題と背景」を書くにあたって必須の作業だからなのは言うまでもありませんが、このように研究デザインの参照として活用できる先行研究を検討するというのも急がば回れの効率的な方法なのでぜひ覚えておいてくださいね。