カウンセリングの着眼点の相違
先日、産業カウンセラーの試験について、受験された受講生の方もおられたので、臨床心理士試験と産業カウンセラー試験の違いについて思うところを独断と偏見で(笑)、まとめておきます。
臨床心理士は「臨床=Clinical」という言葉があらわしているように、医療の「治療」に近いカウンセリングですが、産業カウンセラーは、キャリア・カウンセリングも含まれることからわかるように、「相談」に近いように思います。
実践の場でも、精神健康に問題があるケースは、速やかに精神科医や臨床心理士にリファーすることが求められます。
カウンセリングの依拠する立場の相違
また、臨床心理士の依拠する立場は、精神分析あり、認知行動療法あり、と臨床心理学全般に渡り、様々ですが、産業カウンセラーでは、、第三の心理学の立場や、ロジャースのPersom centered approachに近く、傾聴に徹する態度に重きがおかれているようです。 このため、臨床心理を学ばれた方には問題の傾向に若干の違和感を持つことが多いようです。 さらに、「対話分析」と呼ばれるカウンセリング場面での応答についての解釈や是非についての問題がありますが、臨床心理士コースで、行われる事例検討会で見られるようなやり取りの発想では産業カウンセラーの場合、あまりよろしくないと考えられることが多いようです。
産業カウンセラーの受験には臨床心理士の受験とは異なる勉強が必要です。
着眼点や発想も異なりますので、同じようなものだという軽い気持ちで受けると、合格することはなかなか難しいように思います。
産業カウンセラーの受験を目指される方は、この点に注意されてくださいね。