良い看護と結びついた「目的」を意識することが重要
看護学領域の修士論文は、直接的に医療の現場と関係するテーマが求められることから、 他の領域も修士論文とは少し異なった観点があります。
その中から、 今日は、看護学の修士論文で、テーマを検討する際に持つべきずれない線について、まとめます。
当たり前のことを今一度確認したいのですが、看護学は、「看護する」ことから始まった学問領域です。
すなわち、 看護学の研究も目的は看護の向上であると言えます。
具体的に言い換えれば、 ・看護の実践水準を高めること ・より良い看護ケアに寄与すること が研究として求められています。
このうなことから、修士論文の普遍的な目的として 「より良い看護と関連づけてまとめること」 という視点が必要となってきます。 これは単に、うわべのお飾りではなくて、例えば、特に患者様など人間を対象にして行なった研究の場合、これを満たしていないと、倫理の観点から問題があるとありと指摘されることもあるので注意が必要です。
看護学はシビアに結果が求められる
テーマの検討段階は、どんな領域でも最初に呻吟するところですが、 看護学の場合は,ぶれない戦として押さえておくべき以下に示す4つの要素があります。
人間、 健康、 環境、 看護(ケア)
この4つの要素を原点として、また、核としてテーマを考察し、また、論文作成段階でもこれらの観点からずれていないか、絶えず確認することが重要です。
看護学の研究計画
研究計画を作成するとき、科学分野のどの学問領域でも 仮定した目的(仮説)が達成されて 科学的エビデンス(根拠)が 結果として得ることが求められます。
看護学の場合、これはよりシビアです。
もしこれが、うまくいかなかったならば、例えば、誤った結果が看護の現場で応用された場合、それは無益であるならまだしも、場合によっては、有害になることもあり得ます。
また、実現性の低い研究であるならば、善意で協力してくださった患者様などの被験者の方々に対して、そのご協力を無駄にしてしまうことになります。
以上のように看護学の修士論文を書く際には看護学特有の留意点が必要です。
これは今日書いた研究計画や目的の段階のみならず、方法や、考察についても言えます。
看護分野で修士論文を書かれる方々は、看護特有の留意点に氣をつけられてください。
また、機会を改めて方法や考察においての看護特有の観点を書いてみますね。