「新規性」とは この論文は新しい一歩を踏み出していますということを示すことで、論文での主張や提案の内容が、これまでの先行研究で指摘されていない新しい視点であるかどうかということです。
大きく分けて優先性(Priority) と独創性(Originality)の二つに分類することができます。
優先性(Priority):早い者勝ち
先に公式に発表 されたものにまず「優先性」が認めらます。
特許が絡んでくる工学系は優先性は非常にセンシティブな問題で、どこまで発表どこまで隠すか、隠しすぎると批判を受けるしで、苦労されているようです。
どの分野でもいえることは、公式に発表するまでは、安易にブログなどで内容をにふれたり、部外で資料を配布したりしないように気をつけましょう。ただ、色々な人とディスカッションすることも重要でその辺りのバランスは悩ましいところです。
オリジナリティ(独創性):論文の要
独創性とは論文の主張や指摘に新しい発展の可能性があることです。
「あなたの論文の (研究の)オリジナリティはどこのあるのですか。」と言った質問が論文発表会の質疑応答で時折見られます。
それほど論文の要となる要素です。
「独創性」と「優先性」の重要度では、圧倒的に「独創性」の方が価値が高いです。「独創性」が認められないと、投稿論文はアクセプトされません。また、先行研究と自分の研究を比較して、優先性は先行研究にあるけれども、独創性は自分の論文にある場合、優先している先行研究について、自分の論文の中でその位置づけを明確にしたうえで自分のオリジナリティを導くことが求められます。また、論文で主張する内容が先行研究とどのように違うのかを論理的に明確にすることも必要です。
補足ですが、既存の方法や尺度などを組み合わせて、その組み合わせに新規性があると主張するこことも 当然ありです。
まとめると、関連の先行研究を十分検索して検討し、優先性を慎重に確認して、自分の論文の+αのオリジナリティがどこにあるかを見極めて論理的に主張・追究していくことが重要ということです。